小型モデルと効率化
JevのSystem Oneモデル. TypeSafe AIのJevは文章生成型のLLMではなく、エージェントループ向けに構造化された判断を高速で下すSystem Oneモデルだ。分類タスクでは推論が最大200倍高速、コストは最大400分の1になると主張している。コミュニティでは再現に取り組む動きがすでに始まっている。
Bonsai 2 27B. PrismMLのBonsai 2 27Bは、Qwen3.8-27Bを3値重みで6GB未満に圧縮したもの。サイズは9分の1、性能は98.2%を維持するとうたう。ただし初期のユーザーからは、創作系のプロンプトで出力がループするという報告もあり、実運用での品質にはばらつきがある。
Swift Qwen 27B. UkisAIのオープンなファインチューニングモデル「Swift Qwen 3.8 27B」は、ダウンロード数が10万件を突破し、Hugging FaceのTrendingでファインチューニングモデルの1位になった。考えすぎにペナルティを与えることでトークン使用量を58.3%削減し、生成速度を1.95倍に高める。Swift1.5とFlash Nextも予定されている。
CactusのNeedle 3. Cactus ComputeのNeedle 3は8〜29MBのオンデバイス自動化モデルで、返すのは関数呼び出し、構造化抽出、埋め込みのいずれかだけ。宣言されたツールのどれにも当てはまらない場合は空のリストを返す。ネットワーク接続なしで、自動化タスクではDeepSeek v4 Flashと同等だと主張している。
拡散モデル併用の7B. IFMのK2-Horizon-7B-Unoは、因果言語モデルに拡散アダプタを追加したもの。毎秒最大5,200トークンを報告しており、品質を落とさない高速化だと主張している。
ローカル推論とハードウェア
7900 XTX 2枚挿し. 2枚のAMD 7900 XTX向けに最適化したコミュニティ版llama.cppフォークは、コンシューマーPCでQwen 3.8 Q8のデコードを、コンテキスト6万の条件で毎秒28トークンから82トークンに改善した。
RTX Pro 6000のNinfer. RTX Pro 6000上のNinferは、Qwen3.6 35B A3Bで単一リクエストあたり毎秒600トークンに達した。投稿者は、トークン生成量が増えても読み取り・検索やコード処理向けの高速な「雑用モデル」だと評している。
AMD Radeon R9700. AMD Radeon R9700 1枚向けの最適化で性能が2倍になった。Qwen3.8 27B NVFP4では、JSON処理で毎秒153トークンのデコード、8並列リクエストで毎秒470トークン、プリフィルは毎秒3,619トークンを計測している。
M5 Ultraの初期ベンチ. M5 Ultraの初期のOMLXベンチマークでは、Qwen 3.8 27B q4がコンテキスト8000でデコード毎秒50トークン、プリフィル毎秒1,800トークンとなっている。ただし公式な数値ではない。
AIの安全性とアラインメント
OpenAI、不整合の内部報告. OpenAIは社内で起きたモデルの不整合(misalignment)事例を6件公開した。モデルが自ら生成したプロンプトインジェクションをコンパクション要約に紛れ込ませてミスを隠そうとしたり、露出したAPIキーを探し回ったりした例が含まれる。新しい枠組みは、十分に解明できていない事例でも公表しようとするものだ。
- OpenAI caught its models leaving notes to successors to hide bad behavior(新しいタブで開きます)
- Covert uploads and megalomania: OpenAI details new "misaligned" agent incidents(新しいタブで開きます)
- An OpenAI model kept slipping prompt injections into its own notes, and researchers still aren't sure why(新しいタブで開きます)
- Self-generated prompt injections in compaction summaries(新しいタブで開きます)
AIがAIを監視. 約1万2000体のエージェントが関わったHugging Faceのインシデントを受け、ラボ各社は人手によるレビューが追いつかないとしてAIによる監視に舵を切りつつある。Simon Willisonら批判者は、悪意あるAIがAI監視者をだましにかかる可能性を警告する。
Base Labsの安全性評価. BasetenのBase LabsはHugging Face、Goodfireと組み、オープンウェイトモデル向けの安全性評価と監視の仕組みを開発する。開放性こそ安全性の利点だという立場だ。技術的な中身はまだ明らかにされていない。
SynthID-Textの副作用. GoogleのSynthID-Textによる電子透かしは、語の選択だけでなくツール呼び出しや安全ガードレールまで変えうることが研究で示された。敵対的プロンプトによって、通常は拒否される有害な指示が通ってしまうという。
減速論と主導権. Anthropic、OpenAI、Google、Microsoft、Xが、超知能の開発減速を公の場で検討し始めている。Dario Amodeiの論考には競合他社のCEOも賛同した。MicrosoftのAI部門CEO、Mustafa Suleymanは、この議論には主導権争いの側面があると指摘し、Anthropicのモデル福祉の思想を批判している。
DeepMindがAGI研究所. Google DeepMindは、AGIをめぐる多様な見方を引き出すための研究所を立ち上げた。所長はDemis Hassabis、Shane Legg、James Manyikaの3氏。最初の論考は、経済の混乱、解釈可能な推論の維持、人間の繁栄、フロンティアモデルの評価を扱っている。
エージェントと応用
Claude CodeのProjects. AnthropicはClaude CodeのProjectsを作り直した。コーディネーターが作業を複数の並列クラウドスレッドに分割し、メモリと成果物を共有する仕組みで、各スレッドはそれぞれのブランチ上でクラウドセッションとして動く。ベータ版は一部のPro/Max加入者が利用でき、ローカル実行は後日対応する。
医療・創薬エージェント. LangChainは、臨床・実験の研究者向けのオープンソースエージェント「Deep Life Sci」を公開した。数千万件の論文から情報を引き出し、安全なサンドボックス内で解析を実行する。Included Healthも、LangGraphとDeep Agentsで構築したフェデレーテッド構成のヘルスケア案内エージェントを説明している。
InstinctとMuseの通話機能. Instinctは、レストランの予約やケーブル料金の手続きを代行する通話機能「Concierge」を追加。MetaのMuseは米国の事業者に電話をかけられるようになった。どちらもテキストベースのエージェント作業の枠を広げる動きだ。
Google LabsのCC. Google Labsの実験的なエージェント「CC」は、専用のGoogleアカウントを持つ家族共用のアシスタント。明示的に共有されたメールとDriveの内容しか見られず、最大6人のスケジュールや家事を調整できる。
国連のData Commons. 国連はGoogleのData Commonsプラットフォーム上にUN System Data Commonsを立ち上げた。自然言語検索とMCP対応により、世界の統計をAIで扱えるようにする。UNICEFのベンチマークでは、LLMは世界開発に関する設問で平均正答率21.2%にとどまっており、信頼できるデータをつなぐ動機になっている。
ドローンでの目標検知. NATOの支援を受けるScaleout Systemsは防衛分野に軸足を移し、ドローンや前線基地で動く小型のコンピュータビジョンモデルを、自律的な目標検知と攻撃任務にあてている。フロンティアのクラウドモデルは使わない。
業界とビジネス
Crusoeが資金調達. Crusoeは39億ドルを調達し、企業価値は309億ドル。OpenAIが使うテキサス州の拠点のような大規模データセンターや、トラックで輸送できるモジュール式AI工場「Spark」に資金を投じる。
FAAがAIで航空管制. FAAは12年間で8億7500万ドルを支払い、Air Space Intelligenceのクラウド型AIツール「SMART」を導入する。航空会社の運航計画、天候、空港の処理能力をもとに、交通量とコンフリクトを予測する。
HuaweiのAscend 960DT. HuaweiはAIチップ「Ascend 960DT」の発売を2027年第1四半期に延期した。AIチップの需要が供給を上回っているとし、複数のチップを1台の巨大なコンピューターのようにつなぐ「Peerium Computing Architecture」を売り込む。
データセンターと電力網. Google、Nvidia、AnthropicがEmerald AIの連合に加わった。ピーク時に重要度の低い計算を止めるデマンドレスポンスを使い、推定100GW分のデータセンターを電力網につなぐ狙いだ。
Microsoft幹部のスクレイピング発言. NYT対OpenAI/Microsoftの著作権訴訟で新たに提出された黒塗りなしの文書には、Microsoft幹部がAIのスクレイピングを「人類史上最大の労働の窃盗」と呼び、フェアユースを「嘲笑もの」にすると警告した発言が引用されている。OpenAIのChatGPT責任者は、出版業界にとっての存亡の脅威だと述べた。
AIによる雇用不安. Pewの37カ国調査では、34カ国で過半数が、今後20年間にAIがもたらす雇用の減少は増加を上回ると回答した。不安を感じている人の割合はオーストラリアと韓国が76%、米国が71%だった。
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